ツボの話

ツボ・・・東洋医学的には経穴(けいけつ)っていうの。

内臓など体のどこかに具合が悪いところがあると、その場所と関係のある表面に強い反応が現れるの。

そしてその筋道を経絡といって、この上で反応が強く集中する場所をツボっていうの。

ツボは、頭のてっぺんから足の先まで全部で、365っていわれているけど実際に使うのは70前後ってとこかな。


足三里(あしさんり)
 松尾芭蕉の<奥の細道>で超有名。芭蕉が旅に出
 る時、 ここに灸をすえていざ出発って。昔から何か
 あるごとに使われた養生のツボ。簡単な見つけ方と
 しては膝をたてて、骨にそって上がって行き、指が止
まった所の外側で、親指が押す所。

三陰交(さんいんこう)
 足の内側のくるぶしから上に約6センチ上がったところ。足
 の経絡3つが交わるところで、特に女性にとって大事なツ
 ボ。生理痛等に効果があり、逆に妊娠中等には、ここに
 <はり>はしない。

陽陵泉(ようりょうせん)
 膝をたてて、ひ骨(小指側の骨)頭の前下際にとる。

陰陵泉(いんりょうせん)
 膝をたてて、けい骨(親指側の骨)の内側を上がっていって
 指の止まるところ。





合谷(ごうこく)
 親指と人差し指の間で、人差し指側にとる。
 これも養生のツボ。

手三里(てさんり)
 曲池の下5センチぐらい、筋肉の割れ目のところ。

曲池(きょくち)

 手を胸にあてて肘に出来たしわの外側。

養老(ようろう)
 手を胸に当てた時に、小指側の茎状突
 起が2つに割れるその間。





百会(ひゃくえ)
 
両耳の一番高いところのラインと、正中線を結
 んだ中心。ようするに頭のてっぺんね。

太陽(たいよう)
 眉の外側端と目の外側端の中間より、約1セ
 ンチ後にいったところ。一般的には《こめかみ》
 といわれるところ。

えい風(えいふう)
 耳たぶの後のへこんだところ。耳鳴り等に使うツボ。

聴会(ちょうえ
 
耳珠の前で、口を開けた時にへこむところ。ここも耳鳴りの時などに使う。


人迎(じんげい
 喉仏の両脇3センチのところ。高血圧症の人に頚動脈洞刺として使われる。


天柱(てんちゅう)
 髪の生え際で僧帽筋腱の外側にとる。頭痛・肩こり
 欠かせないツボ。

完骨(かんこつ)
 乳様突起の後で、髪際に1センチ入ったところ。

               
風池(ふうち)
                天柱と完骨の間。

大椎(だいつい)
 第7頚椎きょく突起の下にとる。頭を左右に動かして
 みて、動く椎骨が第7頚椎で、動かないのが第1胸
 椎。

肩井(けんせい)
 大椎と肩先の丁度真中。肩こりに一番のツボ。知らぬ
 うちに ここをもんだり、たたいたりしているものです。

京門(けいもん)
 第十二肋骨の前端下の際にとる。
 第11・12肋骨は、浮肋といって読ん
 で字のごとく、胸骨に付着してない。
 だから無理な姿勢をつづけたりした
 時に、ここが痛むことがよくある。

陽関(ようかん)
 第4・第5腰椎の間。腰痛のツボ。


大腸ゆ(だいちょうゆ)
 これ又、腰痛には欠かせないツボで、第4・第5腰椎の間を外側に3センチ。
 <はり>の学校では《4つようかんちょうだいな》って覚えさせられたものよ。
 ちなみに、骨盤の上辺を結んだ線が腰椎のほぼ4番。




殷門(いんもん)
 大腿部後側のほぼ真中。坐骨神経痛には欠かせないツボ。

委中(いちゅう)
 膝の裏側の真中。

承山(しょうざん)
 アキレス腱の上から、ひ腹筋の間を上がっていき指の止まるとこ
 ろ。






肩ぐう(けんぐう)
 肩を水平に上げた時、肩関節部に二つできるへこ
 みの、前側のへこみ。四十肩・五十肩のツボ。
 
壇中(だんちゅう)
 
乳首と乳首の間。左右第4肋骨の間。

中かん(ちゅうかん)
 胸骨の下(みぞおち)とおへその中間。
 胃のツボのひとつ。
 
天枢(てんすう)
 
おへその両外側5センチのところ。

腰痛

2本足で生活している私たち人間にとって腰は、体重のほとんどを支えている大切な部分です。ですから長時間同じ姿勢で腰掛けていたり、1日中立ちっぱなしで仕事をしていたりすると腰に負担をかけ、筋肉が疲労し腰痛を起こしやすくなるのです。腰痛は慢性化しやすいので、少しでもズキッと痛みが走ったらすぐツボ刺激しましょう。

命門(めいもん)
命門は、おへそのちょうど真後ろの背骨の真上にあるツボです。その名のとおり、生命力のもとで健康維持や体力アップの効果があるツボです。


刺激法
図のように両手の中指を重ねて(女性は右手を下、男性は左手を下)軽く押します。手が届かない場合は、片手の指で押し揉んでもOKです。


腎兪(じんゆ)と志室(ししつ)
腎兪は、命門の真横に位置し、背骨から左右へ指2本分離れた場所にあるツボです。志室は、腎兪からさらに指2本分離れた場所にあります。


刺激法
脚を肩幅ぐらいに開いて立ち、両手でウエストを挟むようにして親指を腎兪にあててグッと押します。腰を左右にひねりながら押すとより効果的です。志室も、親指を使って同じような方法で押します。
腰痛は、腎臓の機能が低下して起こる場合も多いので、腎兪と志室は腎臓の機能を活性化して腰痛軽減に威力を発揮しますので是非お試しください。
左図のように、仰向けに寝て、腰の痛い部分にゴルフボールをあてます。体重をのせ、力を加減しながらボールをゴロゴロ動かして刺激しましょう。

症状に合わせて、ツボを併用されますと、より高い効果が得られます。

指で押さえるだけで、簡単に使用出来ます。

<腰痛に効くツボ>
取 穴 主 治
腎兪(じんゆ) :第2腰椎の外約3cm(指2本) 腎、膀胱、生殖器疾患
志室(ししつ) :腎兪の外約3cm(指2本) 腰痛
腰関(ようかん) :第4腰椎棘突起の下 腰痛、膀胱疾患
大腸兪(だいちょうゆ) :腰関の外約3cm(指2本) 大、小腸疾患
秩辺(ちっぺん) :第3正中仙骨稜の外6cm(指4本) 排尿困難、坐骨神経痛
殷門(いんもん) :大腿部の後ろ中央 坐骨神経痛、下肢麻痺
委中(いちゅう) :膝の裏の中心 腰痛、膝痛

※腰痛のツボ

※肩こりのツボ
<肩こりのツボ>
取 穴 主 治
天柱(てんちゅう) :後頭部の髪際外1cm 頭痛、項部痛
眼疾患
肩井(けんせい) :肩先の中央に取る 肩こり、頭痛
大椎(だいつい) :第7頚椎棘突起の下
(首を前に傾けて取る)
首こり、小児麻痺
身柱(しんちゅう) :第3胸椎棘突起の下 小児神経症、
百日咳、消化不良
膏盲(こうもう) :第4肋間で外約6cm(指4本)
(両腕を前で組んで取る)
肩甲間部のこり
(病こうもうに入る)
天宗(てんそう) :肩甲骨棘下窩の中央 五十肩、肩こり
高血圧
肝兪(かんゆ) :第9肋間で外約3cm(指2本) 肝臓疾患
脾兪(ひ ゆ) :第11肋間で外約3cm(指2本) 消化器疾患
兪府(ゆ ふ) :鎖骨の下で正中線より
約4cm外
心臓疾患
<膝痛のツボ>(痛いところを挟み撃ちをするように)
取 穴 主 治
箕門(きもん) :大腿部の内側の中央 脱腸、腹水
血海(けっかい) :膝の内上方で膝を伸ばして力を
入れると盛上がる中央
月経不順、更年期、
婦人病、膝関節痛
曲泉(きょくせん) :膝を曲げてできる内側の
スジの頭
膝関節炎、子宮疾患
陰陵泉(いんりょうせん) :膝を曲げてけい骨後縁をすり
上げて指の止まるところ
膝痛、腰痛、腹部痛
伏兎(ふくと) :大腿部前面の中央 片麻痺
梁丘(りょうきゅう) :膝蓋骨外縁上4cm 胃痛、虫垂炎
足の陽関(ようかん) :大腿骨外側、膝の真横 冷え症
足の三里(さんり) :けい骨外縁で膝の下のくぼみ 腰痛、膝痛
委中(いちゅう) :膝の裏の中心 腰痛、膝痛

※膝痛のツボ

委中(いちゅう)
急な腰痛で動けなくなったときに重宝するのがこのツボ。ひざの裏のくぼみにある横紋の中央で、ピクピクと脈がふれるところ。急な腰痛の時は一番楽な姿勢のまましばらく安静にし、このツボを親指で30秒ぐらい押さえていると、痛みが軽くなる。
腰腿点(ようたいてん)
ギックリ腰の痛みをやわらげるツボ。手の甲の小指と薬指の間を上になぞっていって骨が交差するところがそう。ギクッときたら安静にし、このツボをボールペンや爪の先でゆっくりと骨に食い込ませるような感じで押す。しばらく押したあと離す、を15分ほど続けよう。押したときにひじから肩にかけて鋭い痛みが走るが、ガマンガマン。